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不定期TOPIC 2003/09/06より
※ 樹脂(ここではABS)加工用にトリミングしたドリルは、金属用には使えなくなりますので、参考にされる方はご注意ください。
カーボン複合素材で芸術的ともいえるフレームのロボットMAGIを作られているZIPPONさん(Project MAGI)に、「ドリルをちょっと削ってあげると簡単に穴があく様になる」ということを教えていただきましたので、さっそくやってみることにしました。左の写真は、私の安物6φドリルです。よくホームセンターで売っているやつです。金属用として売っていたもので、いくつかのサイズがセットで入っていて、500円ぐらいのものです。G-Tune製作には非常に活躍している道具です。 このドリルでABSに穴をあけようとすると、まずいきなりではあけられません。すごい勢いで、ABSの方が跳ね上げられます。また、徐々に広げていった場合でも、かなりの力で材料が回ろうとし、挙句の果てにはドリルの刃を駆け上がり、ドリルチャックまで自動的に行ってしまったりします。 それにしても、アップで写真を撮るのはなかなか難しいです…。 さてさて、これがどう改善されるか、こうご期待です。
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えーっと、赤い丸の中をご注目ください。この写真はドリルの先っちょです。白く光っている部分を良く見ると、非常にエッジが立った状態になっているのがわかります。このようになっている部分は、反対側にももう一箇所あります。 ドリルが回転すると、ここが材料に食いついて、ぐいぐいと材料を削りあげることにより穴があくわけです。で、これからやるのは、ここを少し削り取り、ぐいぐいと削り取る量を減らします。材料に対して垂直になるところまで削ります。本当はいろいろあるんでしょうけど、プロではないのでわかりませんが、まずは教えていただいたとおりに…。
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さてさて、ホームセンターに行って買ってきましたのは、ダイアモンドヤスリ(300番)。多分、刃物を仕上げるためのものならば何でもいいと思います。砥石の方が本当はよかったかな?写真のようにしてドリルを当てますので、角のあるものにしてください。間違っても丸棒状のものは買わないで下さい。 買ってきたダイヤモンドヤスリ、薄くてちょっと使いにくいので、あて木の上に載せて使っています。 ヤスリ面とドリルが水平になるように気をつけながら、次の写真の状態になるまで削ります。ものの数分です。両面ありますので、忘れずに行ってください。「しゃ〜こ、しゃ〜こ」、ヤマンバみたい…(笑)。
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さて、できあがるとこのような状態になります。赤い円の中を良く見ていただくと、オリジナルでは非常にエッジが立った状態になっていたものが、軸方向に対して水平な面ができているのがわかると思います。 この材料に対して「いかにも食いつく」という角度から、「垂直に削っていく」ような角度に変わっているのがわかるとおもいます。 これで、やわらかい材料に対して、食いついていく量が減り、やさしくなるはずです。 | |
これは上の写真の状態からドリルを90度ひねった写真です。先の水平な面がよく見えると思います。写真中で白く光っている部分が削った部分です。 ちなみに、ZIPPONさんに教えていただくまで、ドリルを削ることができるというのも知らなかったSISOです。 | |
「試し穴あけ」です。 結果は、「すばらしい」です。ものの数分の作業で、こうも違うのか?と思うような結果です。 この写真は、3mm厚のABSで9mm幅にカットしたものです。世に言う、切れ端です。Fさんのところ(Fantom Ring)で買いました。 この板に下穴とか、段階的に広げるなどの方法を取らずに、6φのドリルでいきなりあけてみました(危険ですので、良い子はいきなりやってはいけません)。 ■ごりごり食いついて掘り起こしてるという感じが、削り落としている感じに変わりました。 う〜ん、ぐぅれいと!たった5分でこんなに変わるなんて信じられません!もう他のドリルもじゃんじゃんやってしまおう!って気になっています。ZIPPONさん、どうもありがとうございます!
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