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お手製スラストベアリングでヨー軸を強化ダ!…どうかな?

不定期TOPIC 2003/11/05より

脚や腰のヨー軸(ひねる方向に回る部分)を単純にサーボだけで構成すると、強度的に充分でなく、サーボホーンのみに力がかかってかっちりと固定できなかったり、最悪、サーボホーンが折れたりするトラブルがあると思います。滑らかに動くけどかっちり固定っていうのが、ロボット製作の難しいところですね〜。1つの方法としては、サーボホーンそのものの強度をあげるるために金属のサーボホーンに変える方法、あと、周りから支えるために、「スラストベアリング」を使ったり「家具用のスベリ材」を使う方法があると思います。

実は、旧G-Tuneにはにはヨー軸らしきものが存在しません。これもまた1つの安く作る方法です。しかし、新マシンでは、力のかかるヨー軸がありますので、ちょっと新しいアイデアにチャレンジしてみました。

で、スラストベアリング、ちょっと調べてみたんですが、みなさん、どんなものを使っているんでしょうか?全然、見つけられませんでした。タミヤのラジコンパーツで1つありましたが、使うにはサイズがいまいちな感じです。また、値段、重さも結構なものです。うーむ、こまりました。うちのは、もともとパワーの無いサーボばかりですので、やっぱり抵抗とか考えると、ぜひともベアリングがいいよな〜って思うんですが、大きなスラストベアリングなんて、あってもすごく高いですよね〜(きっと)。というわけで、そこは極小研究予算でアイデア勝負のSISO-LAB、ひと工夫いれて安く仕上げたいと思います。

20031224P00.JPG■スラストベアリング
半分想像入っていますが、このスラストベアリングというもの、「玉があって、それを上下から
2枚の板ではさみこみ、それぞれの板がずれないように中心を合わせたまま回って、この時、玉も一緒に回るので抵抗が少なくなる仕掛け」だと思います(左図の一番左)。
これをサーボとフレームに取り付けると、左図の中央の図のような感じになると思います。上がサーボ、青いのがサーボホーンと思ってください。これをじ〜っとみていると、要は、サーボと稼動フレーム側の間に玉があって、それがどっかに転がっていかなければいいような気がしてきませんか?

■お手軽に自作できるかな?
では、自作検討してみることにします。ポイントは「お互いの面が玉で接して、玉があっちこっちに転がっていかなければいい」というところです。というわけで考えてみたのが図の右側のやつです。

3mmの玉を使うことを前提として(6mmでBB弾なんてのも検討したんですが)…レールとかを作るのは大変なので、2mmのABSに3mmちょいの穴あけをし、ここに玉を入れます。また玉が転がらなければいいという観点から、片側のみに穴をあけ、もう片側は平面に直接玉を当てるようにします。グリスは、3mmの穴の中にたっぷりといれてやれば、グリス切れをすることは無いでしょうし、組み立てのときグリスで玉がくっついていてくれるハズなので、簡単になります。耐久性に難がありそうですが、そんなに重いロボットでもありませんし、どうせホビーでよくバラすものです
から、よしとしましょう。

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■材料
さっそく作ってみました。鋼球はどこで購入していいのかわからなかったので、インターネットで探して有限会社舟辺精工さんで購入しました。メールで「こういうのが欲しいんですが…」と送ると、見積もりを送ってきてくれます。購入したのは、3.0mmクローム球(SUJ-2)で、等級:G20(精密球)を50個で千円でした。きっとすごい精度だと思うので、ABS板とあわせるのはかわいそうな感じですが、ま、まずはお手軽にということで。3.0mmを購入したのは、ABS板が2mmだからです。そうするとあわせたときに、1mmの隙間ができてベアリングとして機能しますので。

使う材料はこんな感じです。これはG-Tuneの腰部分で、上半身の腕ブロックと腰を結合する部分です。12/22にアップした写真の下の部分にあたります。

それぞれのABSの厚みは、左から「3mm」、「2mm」、「3mm」になります。真中の部品には、周囲に3.2mmの穴(何がベストかは、実は知らないです)が24個開いていますが、ここにグリスと鋼球を入れます。実際には12個いれてみます。まあ軽量化と後で鋼球を足したくなったときにすぐに入れれるように穴をあけておきました。結構、適当に作っていますが、実際にお互いの部品が接触する部分は鋼球ですから、好きな形でOK(穴のレイアウトが円でなくてもよいと思う)です。

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■鋼球保持台側の組み立て
左の部品と真中の部品をくっつけて、こんな感じの部品にします。真中に見えるのがサーボの軸で、これが腰のヨー軸として動作します。

この部品の上に鋼球を載せます。つまり、こちら側で、鋼球があっちこっちに転がらないように支ええることになります。

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■グリスの塗布
それではグリスを塗布します。塗布といってもチューブから搾って直接穴に入れるだけです。そういえば、ベアリングってグリス入ってましたよね?うんうん、入ってた入ってた。じゃあ、迷わず入れましょう。ちなみにグリスは、手元にあった「ミニ四駆」とかで使っているチタングリスです。手持ちということだけで、特に理由はありません。

でも、少量で売ってますので、ロボットとかには使い易いと思います。

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■鋼球の挿入
それでは、クリスマスケーキのイチゴのごとく、鋼球でデコレーションしましょう。まじめに、グリスがクリームに見えてきた・・・。そういえば、世の中はクリスマスですね。今年も張り切って料理を!と思ってましたが、願いかなわずです。とほほ。

後でばらすときも、グリスで鋼球がこのパーツにうまい具合にくっついてくれるので、結構楽チンです。

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■できあがり
そんでは上部パーツをくっつけてみましょう。おお、見事に鋼球が上部パーツを支えております。ぐりぐりしてみると、いい感じです。イケてます。鋼球が一個20円として、12個使ったので全部で240円。これにABSがちょこっと。
しめて400円ぐらいかな?

うちは加工する機械が無いので、やっていませんけど、同じようにして金属で作ったら、小さくて耐久性がある、もっと良いものが作れるんではないかと思います。なんといってもサイズやレイアウトが自由なのがいいですね!モデラとかで加工されている方とかだったら、「ベアリングが組み込まれたフレーム」とか、いろいろできるんじゃないでしょうか?

耐久性ですが、ABS+鋼球ですから、ちょっと心配な気がします。これからしばらく使ってみて、チェックしようと思います。もし新しいことがわかりましたら、またアップします。


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